「アンテナ」の張り方

突然ですが、みなさんは「アンテナ」張っていますか…？

おうちの衛星放送のアンテナでもなく、ラジオのアンテナでもなく、こんなアンテナ、張っていますか？

「アンテナ」を張る意味

人間は活動している間、常になんらかの情報を受け取っています。街中を歩いていて気付いた空のあおさ、雨の前特有のにおい、SNSを見たりなど、いろんなソースが感覚器を経由し脳で処理され、情報としてインプットされていますよね。

こういった点から、人間は誰もがアンテナを張っている状態である、といえるでしょう。

ただ、人間の感性は人によって全く異なります。興味のあること、気にしていることなどは、みな違うので当たり前ですが、これはすなわち、自分にデフォルトで備わっているアンテナは特定の帯域にしかよく反応しないものになっている、といえます。

世の中の日々起こっているいろんなことを吸収するためには、このデフォルトのアンテナをチューニングすることが必要となってきます。この作業を行うことではじめて、「アンテナ、張っています！」といえるでしょう。

「アンテナ」の張り方

アンテナの張り方には、3パターンあると思います。

① 知りたいことを定める

これはほとんどの方が普段から行っている方法だと思います。
大好きな芸能人やアイドル（私は芸能とかに疎いですが…）とか、大好きなお天気（これは私くらいかもしれません…）とか、自分の興味や関心のあることはすんなり入ってきますし、記憶できますよね。デフォルトのアンテナで情報を受け取る情報は、基本的に自分の知りたいことだけ、とフィルタがかかっている状態になっているはずです。

ただ、デフォルトの状態のアンテナ以外でも、このアンテナの張り方の場合もあります。

例えば、ある日「核融合発電について知りたくなった！」と唐突に思ったとします。そしたら、核融合発電にかかわるところにアンテナをチューニングして、それに近い情報を受信できるようにしますよね。核融合発電とは、と検索したらその結果を見ますし、調べていくうちに、トリチウム、D-T反応、トカマク型などといったワードも引っかかるようになり、キャッチするようになっていきます。

具体的な事象だけではなく、IT業界の動向、のように広くターゲティングすることもできますね。

② やり方を定める

このやり方は、している方、していない方と分かれるかもしれません。

例えば、新聞を読む、SNSをチェックするというように、方法だけを定めて、そこからいろんな情報をキャッチしていく流れになっています。新聞には多種多様なジャンルの情報が載っていますし、SNSをチェックするというのも、意外と自分の興味のある分野以外の情報も得ることがあるものです。

また、日々の生活で何か新たな気づきが欲しいな、という場合にも、このやり方が最適でしょう。

例えば、今日は「木」をテーマに物事を「見て」みよう、という日を設定します。すると、今の時期ですと、木によって葉っぱの色づきが違うことに気づくかもしれません。ですが、視点をちょっと変えると、また違ったことがみえてきたりします。

新都心の駅を降りて、会社の方面に歩く際に、目の前に木が見えてくるのですが、その木々がいい感じに色づいてるなーと思うと同時に、「あれ、垂れ下がっているような枝がない」ということに気づきます。

そうです。目の前に見える木々がある場所がけやき広場で、生えている木はけやきだとわかります。気づいた枝の特徴は、まさにけやきの特徴なのです。そこから、「常に上を向き成長していく木なんだなぁ」という気づきが得られて、そのうち何かのデザインをする機会がある際に、けやきをシンボルにできたりするかもしれませんね。このように、気づきによって、多種多様な情報が、自分の引き出しに増えていきます。

もちろん、木だけに限ったわけではなく、これは何にでも応用できると思います。街灯、電線、道、建物、生き物、歩いている人の服装、天気、スーパーの品ぞろえ、街中でITが使われているところ等、挙げればきりはなく、可能性も無限にあります。これ、とすぐに決められない方は、歩いてみて目についたもの（あるいは聞いたり、においで感じたりしたもの）を深堀りしていくでもきっと楽しいかと思います。

③ 組み合わせて

三つめは、①と②を組み合わせたやり方になります。

例えば、ITに興味があって、SNSでITの情報収集専用のアカウントを作り、それを1日2回チェックするとします。興味のある内容を特定のやり方で、特設のアンテナを張ると、より強力に情報収集ができるようになります。ITに興味を持って、街中で探しまくる、というのも、自身の強みをふんだんに生かせる「アンテナ」の張り方になるかと思います。