人生とは選択の連続。私はいま、大きな決断を迫られています。
それは、朝ごはんをゼリー飲料で済ませるか、しっかりとパンを食べるかです。
「さっさと飲み込んで空いた時間に寝ましょうよ」
きっとこれは悪魔の言葉でしょうか。耳元で囁かれている誘惑に負けてしまいそうです。おやすみなさい。
「だめです。しっかり形のあるものを噛んで食べることで脳が活性化されるのです」
こっちは天使の言葉でしょうか。よかったです。私のなかにも天使がまだ残っていたようでした。
「それに、パンの方が100円安いのですよ。オフィスでコーラを買っても同じ値段で済みます。カフェインと糖分で頭を回してしまいましょう」
…天使さん?
しかしながら私はもう社会人です。結局、悪魔と天使の見た目をした悪魔の両方を撃退し、少しお高い商品をレジに運ぶのでした。
「お会計は470円になります。――」
これも健康のため。健康とお金は切っても切り離せない関係なのです。
バージョンアップ
朝ごはんに新発売のホイップたっぷりパンケーキを食べた私が行っているのは、製品の障害対応というお仕事です。
バージョンアップという言葉は知っているでしょうか。言葉は知らなくとも、スマートフォンでアプリを起動しようとしたときに「アップデートをしてください」といった文字が出てきた経験とかはあるのかなと思います。中身の変更に伴う更新のことです。
こちらがSI Web Shoppingのニュースリリースです。年に2回ほど新しいバージョンがリリースされていることが分かります。
障害対応…?
新しい機能を追加するに当たって細かな差異が生まれることは少なくありません。例えば、寒くなってきてストーブを買ってきたのはいいですが、電子レンジと一緒に使うと20Aを超えてしまってブレーカーが落ちてしまうなんてことも変化の副作用として起きてしまった障害です。
新しいページからいろんなページに移動してみたり、新しく作った機能で物凄く複雑な操作をしたときに、急にデザインが崩れたり、システムエラーが発生してしまったりすることがあります。そういったものをバージョンアップとしてリリースする前に潰していくのが障害対応という仕事です。いろいろな操作をしてエラーを探す作業もありますが、既に存在が確認されている誤作動たちを直していく部分を今は担当しています。
OBPM Neoを活用して
発見された誤作動は当社製品のOBPM Neoに次々登録されていき、リスト形式で見れるようになっています。登録されると対応者の私に通知が飛んでくるようになっているので、それを受けたらリストを見に行って対応を始める流れです。ソーシャルゲームのデイリーミッションみたいな感じでリストアップされているものを達成していく感覚に近いのかもしれません。
面白さと難しさ
この業務で意識するのは変な直し方をしないことだと感じています。故にどのやり方を選択するか悩んで時間を使うことが多いです。
水をお湯にしてくださいと言われて、あなたは電子レンジを使いますか、電気ケトルを使いますか、それとも鍋に入れて火で温めますか。障害対応という工程はゴールのすぐ近くにあり、答えを持っていながら過程を直す考え方は、5*3=?という計算よりも?*?=15という計算に近いように思います。直し方は多様的ということです。
他の人や未来の自分が読むときに150*0.1なら1割を求めたい計算なんだろうなと思いますが、1.9874525*7.547350188243493といった計算を見ると意味を見出す気すら失せてきます。同じ結果でも過程によって意図の伝達率は変わってきてしまうというところで、プログラムを書くときは客観的に見るのが必要なのだと改めて思いました。